101号室 融解せよ侵犯せよ 忍者ブログ

101号室

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融解せよ侵犯せよ


 ぬちゅり、ぐちりと、粘ついた水音が部屋に響く。鼓膜に流れ込むおぞましい波から逃げ出したくて仕方なかったけれど、アルバにはそれができなかった。縛られているのは両手だけの筈なのに、何故だか全身に力が入らない。目を瞑れば暗闇と音と吐息がより恐ろしい幻を連れてきてしまう気がした。だから、床に転がされたまま、眼の前で繰り広げられる光景を黙って見ている以外に選択肢は無いのだ。

「……ふ、んぅ、……っうぅ、……っ」

 シャツの裾を噛んでいるせいで、戦士の口はくぐもった音しか漏らさない。しかし、それすら淫猥な熱と震えに満ち満ちていて、アルバの頭の後ろの方をじゅくじゅくと責め苛んでいく。下衣は一枚残らず取り払われていた。壁に寄りかかり、長い脚を投げ出した姿勢は下肢の中心部分を見せつけるようだった。触ってもいない陰茎は固く張りつめていて、ぐちゃぐちゃという頭のおかしくなりそうな音はその奥の穴から生まれている。排泄器官は今や彼の指を三本も咥え込んでいた。骨ばった付け根の動きが、手首の微妙な回転が、暗い孔の奥で指先が激しく動いていることを教えていた。見えないところで何が起きているのか、アルバの体は知っている。白い顔を紅潮させて時折喉を晒すようにして仰け反る青年がどんな快感に晒されているのかも。にちゃ、にちゃ、じゅぷり、指が抜き差しされ、戦士が鼻に掛かった声を上げて、穴の縁がひくひく震えてきゅうっと締まる。中に注がれたローションが手やら尻たぶやらを伝って、フローリングの上にぬらぬら光る水溜まりを作っていた。

「ひ、うぁああっ……や、あああぁあ、っ、く、うぁ、あ、」

 指が掻き回す動きが一際激しくなって、戦士の口を塞いでいた布が落ちてしまった。びくりと体を震わせて、もっと奥を抉ろうとするかのように腰を突き出す。その度に酷く水っぽい喘ぎ声が上がり、唇の端を涎が伝った。熱でも上がっているような潤み切った眼は、焦点を失いそうになりつつも間違いなくアルバの姿を捉えていて、にやにやと煽るように歪んでいる。

 寒気に襲われたみたいに全身が震え続けていて、その癖中心の辺りには煮え滾るような熱さがあった。あんまりな事態に泣きそうな気持ちになりながら、アルバは脚を擦り合わせる。そうしたら、自分が勃起していることに気付いてしまった。ぁ、と小さく声が出て、それを拾った戦士がまた嬉しそうに笑う。駄目だ、と思うのに、アルバの視線は押し広げられた後孔に釘づけにされて動かない。ぬちゅ、ぐちゃ、とまた水音。出し入れの度に立ち上がった性器が揺れて、穴がぐちぐちとうごめいて、戦士は切なげに鳴いて、アルバの目の奥が真っ赤に染められて、耳の奥で血の流れる音が速くなって、いれたい、いれたいという誰かの、自分の声が聞こえた。息が、胸が、下肢が、全部苦しくて堪らなかった。

「……せ、せんしぃ、おねがい、ほどいて、」

「も、ちょっと、んうぅ、ですからぁ、っぅあ、ひ、あぁ、っ、あああぁあ!」

 ぐり、と音がしそうなほどに指を捻って、戦士は一際高い嬌声を上げた。太腿の内側に筋が浮いて、がたがたと体を震わせながら射精した。引きつけでも起したみたいに呼吸のリズムが不規則だった。赤く染まった目元をぼろぼろと涙が伝った。ゆっくりと指を引き抜く動きさえ快感に繋がっているようで、また声が漏れた。

 アルバはもう限界だった。何もかも忘れて哀願していた。お願い、いれさせて、助けて、と。戦士はゆっくりと距離を詰める。まだ体に力が入らないのか、半ば這うような姿勢だった。

 そして倒れたままのアルバの体を起こし、抱きしめるようにして腕を回した。背中の位置で縛られていた手首に色んな液体に塗れた掌が触れ、縄が解かれていく。自由になった手で彼に触れようとしたら、耳元に寄せられた口からくすくすと笑いが落ちて来た。

「まだ駄目です」

「なんで、なんでだよぉ」

 蟠る熱をどうすることも出来なくて、アルバはただ泣いていた。とても愉快そうな声は低く擦れながら先を続ける。舌が耳朶を掠め、少年はまた息を飲む。

「お手本、見せてあげたんですよ。ちゃんとこの通りにできたら、ご褒美あげますから」

「ご褒美、って」

 後ろに指を突っ込んで、自分で自分のいいところをぐりぐりと弄って、鳴きながら気持ちよくなって、前に触れないまま達して。膝の先で勃ち上がった部分をなぞられ、悲鳴のような喘ぎが零れた。

「ごほうびって、どっち」

 いれさせてくれるの、いれてくれるの。戦慄く指でベルトを外しながらそう尋ねると、一拍置いて答えが返った。

「両方」

 とても、満足そうな声だった。

 

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