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●チュートリアル
「いててなんだここ……洞窟?船に乗ってたんじゃなかったのか……」
「嵐で難破してかなり遠くに流れ着いたみたいですね。勇者さんが起きるまでに外で情報収集してきたんですが口で伝えるのダルいんで実地で行きましょう」
「実地で伝える情報って何!?そっちの方めんどくない!?」
「この辺はかなり地盤が緩いみたいで頻繁に地殻変動が起きます。こういう洞窟とかだと壁も簡単に掘れるんじゃないですか」
「暗に掘れって言ってるよねそれ。……掘ってみたら何か出てきたーってうおお!金塊だ!」
「それと巻物とか杖とかのマジックアイテムがかなり豊富みたいです。はいこれ鑑定の巻物」
>金塊は途方も価値のない錆びた偽物の金塊だと判明した。
「えええええ!?なにこの虐めの如きマイナス修飾語の連打!」
「次ははいこれ弓と矢です。装備してみてください」
「うーん使ったことないんだけどなあ……」
>アルバは寒気がした。
「えっ何これ」
「呪われています」
「はあああ!?っておいなんかこの弓ボクの血吸ってるんだけど!?」
「ちなみに呪われた装備は外せません。RPGの基本ですね!」
「死ぬ!失血死するから!」
「あとは一般人でも魔法書読解できれば魔法が使えるようになるみたいですね。ここにあるのは解呪の魔法書です」
「解呪!?呪い解けるの?読むから貸して早く!」
>魔力の渦が何かを召喚した!
「えっなにこの触手まみれの生き物こっち向かって来たってえっちょ」
「読書スキルが低いと魔物が召喚されたりして危険なのですぐ逃げられるところで読みましょうねー」
>あなたは死んだ……遺言は?
「頼むから大事なことは先に言って」
「――はっ!夢!?」
「ではないです。この世界の最大の特徴は『死んでも生き返る』ことなんですよ。金とか無くなりますけど」
「マジで!?っていうか色々理不尽過ぎるだろ!」
「ごちゃごちゃうるさいですよ勇者さん。変愚蛮怒だったら街出れないレベルなんだから黙ってろこのなイ観が」
「うううなんか罵られてる……お腹もすいてきたし絶望しかないよ……」
「流石穀潰し、働きもせずに飯をご所望ですか。ほらよ貪れ」
「ありがとうございますって生肉!?せめて加熱してよ!」
「自分でやってください」
>料理スキルを持っていない。
「くっそ背に腹は代えられないしそのままいくか。うわー酷い味」
「……本当に食べてしまったんですか?」
「おいちょっと待てこれ何の肉!?おいまさか!?」
>アルバは発狂した。
「ちなみに『勇者』なんて職業は無いので勇者さんは『遺跡荒らし』で役所に届けときました」
「よりによってそれ!?」
「『戦遺。』にタイトル変わりますね」
「語呂わるっ」
※チュートリアルで人肉を食わされ初心者ガイドに大嘘を吐かれます。この時の殺意があなたを動かす力になる。
●スライム退治
「スライム退治の依頼って言うから軽い気持ちで来てみたけど何これスライムめっちゃ強い」
「うっわあねちょねちょー。スライムフェチ大歓喜じゃないですか」
「このねちょねちょ強酸だからな!?装備どんどん劣化してくしボクの体もボロボロだよ!」
「刺激臭きついんでこっち来ないでもらえます?」
「ていうか戦って!このままだとまた死ぬから!」
「勇者さんが狭い一本道塞いでるんで無理です」
「援護射撃してよ弓も矢も持ってるよねお前!」
「近接物理AIの戦士に何を期待してるんですか図々しい。遠隔攻撃はできません」
「マジで!?」
※名前に油断してスライム殴りに行くと確実に死にます。仲間NPCには時折ポンコツ野郎が混じっています。
●終末の日
「スライム倒してなんとか生きて帰れたー……喉渇いたし井戸水飲んじゃえ」
>何かいけないものを飲み込んだ。アルバは寄生された。
「!?」
「おめでとうございますどうですか母親になった気分は」
「母親!?えっマジでお腹になんかいるんだけどこれなになんなの一体」
>何かがアルバの腹を破り飛び出した!
「うぎゃああああああ!!」
「エイリアンですねー。井戸水飲むとたまに寄生されます」
「血っ血がっお腹破れっ」
「ちなみに生まれたモンスターの名前は『アルバの子供』」
「母親ってそういう!?ってマズいエイリアンが近くの人に襲い掛かった!」
「……あー。あの人は確かにマズいですね」
「くだらない……」
>終末の日が訪れた。
「えええええ!?一体なんなのこれなんでドラゴンこんなにいっぱい現れたの!?あと何か風の色おかしくない!?」
「さっきエイリアンに絡まれた人が持ってる剣にヤバい魔法が掛かってるんです。振り回すとご覧の通り地形が破壊され巨人とドラゴンの群れが現れエーテルの風が吹き始める等の局地的な世界の終わりが訪れます」
「なんでそんな危険物気軽に持ち歩いてんのあの人!?ところでエーテルの風って……」
>アルバはエーテル病を発症した。アルバの手から毒が滴りだした。
「エーテル病?……うわあああ手が!手が!!」
「平たく言うと死に至る病ですね!原因はこのエーテルの風」
「ほんと頼むから先に言って!」
※最初の町に恐ろしい武器を持った最強の浮浪者がいるので、何かの間違いで戦闘を始めると町が高レベルモンスターの巣に成り果てます。そしてやっぱり働かない初心者ガイド。
●絵本集めクエスト
「はースライムに齧られドラゴンに齧られ猫に齧られ牛に齧られ触手に絡まれ爆破されと辛い戦いの連続だったけど今回のクエストはなんかほのぼのしてていいね」
「そーですねー」
「死んだ妹が気に入ってた絵本を読みたいだなんていいお兄さんだよね。全巻集めるのかなり大変だったし喜んでくれるといいな」
「そーですねー」
「あ、ご依頼の品持ってきましたよ!どうぞ」
「おお……さっそく読ませてもらおう」
(どきどき)
「……」
>ビーーー!バリリ!!ビリリ!バリリリリリ!!!
「!?!?!?」
「見事に全巻引きちぎられましたね」
※D4C。
●ただいま
「このダンジョンも結構進んだなー」
「あっ勇者さん!あいつが恐らくこの砦のボスです」
「……ナースだよね?」
「白衣のナースです。あなたに永遠の安らぎを与えようとするタイプの天使ですね」
「端的に言って敵だよねそれ!くそ接近された!」
>白衣のナースは呪文を詠唱した。アルバは回復した。
>白衣のナースは呪文を詠唱した。アルバは回復した。
「は!?」
>白衣のナースは呪文を詠唱した。アルバは回復した。
>白衣のナースは呪文を詠唱した。アルバは回復した。白衣のナースはマナの反動で消滅した。
「な、何故か攻撃もせずに全力でこっちを回復してきた挙句MPの限界超えて魔法使ったせいでダメージ受けて勝手に死んじゃったんだけど……」
「マゾの鑑ですね!」
「駄目だ突っ込みきれない……帰還の巻物読んで洞窟に帰ろ……」
>アルバは帰還の巻物を読んだ。気まぐれな時空の管理者によって次元が歪められた!
「……あれ?なんか初めて見るはずなのに全然初めての気がしない場所に飛ばされたんだけど」
「流石の帰巣本能です勇者さん!」
「帰るべき場所ここじゃないからね!?なんで突然投獄されてんのボクたち!」
「帰還の巻物が呪われてたせいで収容所の中に飛ばされたんでしょうね。嬉しい特典として便所の水飲み放題ですよ」
「超いらねえ!っていうか後ろ暗いこともないんだから早く鍵開けて出ようよ!」
>解錠に失敗した。あなたにこの鍵を開ける技術はない。
「え……」
「ちなみに壁も特別製で滅茶苦茶硬くなってます」
「打つ手なしじゃん!」
「そんなあなたにこちらです、頑丈なロープ〜!」
「首を括れと!?」
※悪いことしてなくても牢屋にぶち込まれ餓死するまで閉じ込められます。なんという冤罪。
●ラスボス戦
「くっそこいつを倒さないと帰れないのにもう体力が……ここで負けるっていうのか……」
「……」
「戦士?」
「勇者さん、5ターンだけ粘ってもらっていいですか」
「え?」
「お願いします」
「分かった……ってなんで徐に武装解除して荷物全部捨ててんの!?ほんと何してんのお前!?」
「いいから言われたとおりにしろかたつむり野郎」
「ちくしょー!」
~5ターン後~
「ほら時間稼いだぞ!ほんとにあともうちょっとでボク死ぬからな!!」
「大変よくできましたー。オラァ!!」
>呪われたウィスキーは敵に命中した。敵は嫌な感じがした。敵は吐いた。
>呪われたウィスキーは敵に命中した。敵は嫌な感じがした。敵は吐いた。敵は拒食症になった。
>呪われたウィスキーは敵に命中した。敵は嫌な感じがした。敵は吐いた。敵は餓死した。
「……えっ?」
「やりましたね勇者さん!これでこのダンジョンも完全制覇です」
「えっ待ってどういうこと?なんであいつ死んだの?」
「5ターンかけて呪った酒を連続でぶつけて吐かせ続けました。拒食症になってもげーげーやってるとお腹減り過ぎて死にます」
「ラスボスなのに?」
「ラスボスなのに」
「そんな心を病んだ女子高生みたいな死因でいいの!?っていうか嘔吐で死ぬならボクが戦ってた意味なくない!?」
「そこに気付くとは流石ツッコミのお兄さん!仰る通り全くの無意味です!」
「くっそおおおおお!!」
※最強の武器は呪われた酒です。ラスボスどころか神様も気軽に殺せます。
作り方は仲間NPCを全裸にして酒だけ持たせて呪うこと。