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眠っていたはずだった。ベッドに居るのだから、まあそこは疑う余地が無いだろう。問題は、何故か戦士に圧し掛かられているという一点だった。
「あっと、え、なに、どうしたの」
酒場で情報集めて来るんで適当に寝ててくださいあなたがいたら無益を通り越して有害です。キレーな笑顔で追っ払われ、アルバは少々泣いたのだった。だからと言ってひとりでは何をすることも出来なかったので大人しくシャワーを浴びて床に就いたのだが。
別に殴られたり首を絞められたりしなきゃいけない理由は無いはずだけれど、と考えて、頭を振った。理由が無くても殴られるし絞められる。こいつはそういう男だ。とりあえず衝撃に備えて覚悟だけは決めなくてはならない。息を詰めて、目を瞑った。
が、何も起こらない。
「戦士……?」
ランプのぼやけた明かりの中で目を開いてよくよく見れば、戦士の顔は赤かった。今にも涙が伝いそうなほどに眼が潤み、呼吸も乱れて酷く荒い。酔っているのだろうか、まさか具合でも悪いのか。大丈夫なの、と声を掛けようとした。出来なかった。唇を塞がれ、熱くぬめる何かによって言葉を全て食われてしまった。
ぐちゃぐちゃ、ぬちゃぬちゃと、酷い水音が耳の内側から響いてくるようだった。首を絞められたわけではないのに苦しくて苦しくて息ができす、その癖戦士の舌が上顎を擽る度に後頭部が疼くみたいな気持ちよさがあって、アルバはすっかり訳が分からなくなってしまった。
ぷは、と音がして、戦士の顔が離れていった。アルバの脳味噌が落ち着くのを待たず、戦士はかちゃかちゃ音をさせながら右手だけを動かしていた。がちゃり、と重い音。ベルトのバックルがフローリングに当たったらしかった。どうして彼はズボンを脱ぎ始めているのだろう?アルバには何も理解出来なかったが、何かがまずいということだけは本能的に感じ取れた。
「ね、勇者さん、」
戦士がやっと言葉を発した。熱に浮かされた酷い声で、顔には擦り切れたような微笑みが浮いている。
アルバは何も言えなかった。混乱は増す一方で、体じゅうの神経がストライキでも起したみたいに言うことを聞こうとしなかった。露わになった戦士の性器は固く勃ち上がっていて、色素の薄い太腿の内側を、どこかから零れた白いものがつうと伝うのが見えてしまった。
「オレ、汚されちゃったんですよ」
だから、きれいにしてくれませんか。
蕩けた赤い目の奥に不思議な色の光が灯り、アルバの体はアルバのものでは無くなった。
* * *
「や、やだぁ、やだやめて戦士、ボク、ひぁ、こんなこと、したくなぁっ」
「うそつき、うぁあ、あ、気持ちぃ、くせにっ、んぅ、ああぁあ、ひっ、あああぁあ!」
尻を高く突き出した厭らしい姿勢を取りながら、戦士は喉の奥で笑っていた。嗅がされた薬の所為なのか、アルバが腰を突き込む度に聞いたことも無いような高い声を出して身を捩り、壊れたみたいにもっともっとねだり続ける。魔法で操られた少年がやめてくれと泣いて懇願しても聞く耳は無かった。
白い腰に刻まれた赤黒い手形から、アルバは掌を離せない。戦士を犯したという三人のうちの誰かをなぞるかたちで体が勝手に動かされていた。勝手に腰を振って、勝手に戦士の中を突いて、勝手に気持ちよくなってしまう。出し入れを繰り返すにつれ、ぐじゅり、ごぽりという湿った音と共に、後孔に注がれていたものが溢れて零れ落ちていった。
勢いよく腰を叩きつけると、亀頭の辺りが何かしこりのようなものを擦るのを感じた。その途端に死にそうな、けれどとても嬉しそうな悲鳴が上がり、アルバを包み込む粘膜がびくりびくりと激しく痙攣し始めた。目の前がどんどん白くなっていき、飲み込まれてしまうのではないかと恐ろしくなった。アルバの口も言葉の体を為さない喘ぎばかりを零すようになっていた。このままではいけない。このままでは、アルバまで壊れてしまう。
「戦士ぃ、だめ、うあぁ、抜いてお願い、でちゃうから、」
「ひぁあ、あ、出して、ください、あいつらのせーえき全部搔き出してぇ、それから、中に、ぃ、っ!」
一際強く引き絞られて、ついに限界が来てしまった。腰の底で弾けたものが、アルバのこころをも焼きながら、熱く熱く迸り出たのだった。