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目が覚めるとそこにいた。
魔界の鍾乳洞の中で、生贄に選ばれてしまったのだという魔族に出会った。
少年の名はアルバと言った。魔王が封印されて480年が経っていた。
洞窟の奥に辿りついてみれば、主の白竜は年老いてもう肉が食べられなくなったのだという。拍子抜けしたついでにアルバに回し蹴りを決め、迷いながらも二人で外に出ようと彷徨った。散々迷った末に見つけ出した出口には、生贄が逃げないようにと分厚い結界が張られていた。
項垂れる少年を外に出してやるために、クレアシオンは魔法を使った。一瞬垣間見えた灰色の大地には何かがしっかと根を張っていた。彼はまた眠りについた。
何の意味も無い出来事だった。何も起こらなかった。